最高級ホテルの知見を活かし、日本を代表する空間を創造する
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2025.12.10
プロフィール
木内 寛之(きうち ひろゆき)【写真左側】
所属:リストデベロップメント株式会社 代表取締役社長
経歴:筑波大学第3学群基礎工学類卒業 2013年中途入社
新卒で鹿島建設に入社。日系・外資系不動産ファンドを数社経験した後、リストデベロップメントへ入社。
2019年より代表取締役社長就任。
渡部 恭士(わたなべ きょうじ)【写真右側】
所属:リストデベロップメント株式会社 投資・開発事業本部 3部 部長
経歴:龍谷大学法学部卒業、コーネル大学ホテル学科PDPコース修了、青山学院大学大学院 MBA取得 2024年中途入社。
新卒で日本航空開発に入社。国内外のリゾート・ホテル業界において統括営業部長や支社長を歴任し、2024年リストデベロップメントへ入社。
リストデベロップメント(以下、LD)は、「Glocal&Luxury」を旗印に国内外の富裕層をターゲットにした不動産開発を積極的に推進しています。この度、社長の木内さん、部長の渡部さんが、シンガポールで開催されたアジア太平洋地域最大規模のイベント「HICAP(ハイキャップ)」へ参加してきました。前回の「ミラノ・デザインウィーク」での知見に続き、HICAPではどのような発見やビジネスチャンスがあったのか?お二人へインタビューしてきました!
※前回のインタビュー記事はこちら
――まず、HICAPとはどのようなイベントなのでしょうか?
渡部:
HICAP、すなわち「アジア・パシフィック・ホテル投資会議(Hotel Investment Conference Asia Pacific)」は、世界中からホテル投資において最も影響力のあるオーナー、デベロッパー、金融機関、経営幹部、専門アドバイザーが一堂に会する国際会議です。30年以上にわたり、アジア太平洋地域のホテル投資コミュニティにおいて最大の年次イベントとしての地位を確固たるものにしております。
木内:
HICAPは、アジア太平洋地域の主要な投資家や経営幹部にとって、ネットワーキング、ビジネス機会の探索、活発な意見交換、そして最新の知見を得るための重要なプラットフォームです。2025年のカンファレンスでは、実に150名を超える業界トップエグゼクティブがスピーカーとして登壇しました。
渡部:
参加者数も世界各国から800名に上り、そのうち約30%が会長(Chairman)、CEO、社長(President)、オーナーなどの役職者です。HICAPはまさに業界リーダーにとって、「重要な人々と出会うための場所= The Place To Be」そのものと言えるでしょう。

――すごいイベントなんですね!日本からは他にどんな企業が参加していたのですか?
木内:
日本からはデベロッパーとして三菱地所や三井不動産、東急不動産、他にも、竹中工務店や西松建設、西武グループ、東急、東急ホテルズ等が参加していました。HICAPは「必ず出席すべきイベント」と位置付けられているだけあって、国内でもかなり名が通った企業が多数参加していた印象があります。
――2025年のHICAPはどういったテーマだったのでしょうか?
木内:
今年のHICAPでは、日本市場が「アジアで最も有望なホテル投資先」として明確に位置づけられたことが特筆すべき点でした。多数のセッションで日本が取り上げられ、投資家や各ブランドからの関心の高さは非常に顕著でしたね。
渡部:
アジアにおいて、中国市場は投資先として難しい局面を迎えています。シンガポールは安定しているものの、金利水準が高い。そうした中で、日本市場は相対的に非常に魅力的な投資対象として浮上してきます。

――日本がこれほど投資先として魅力的なのはなぜでしょうか?
渡部:
一つには国策として推進されているインバウンド誘致が挙げられます。日本政府は「明日の日本を支える観光ビジョン」を策定し、2030年までに訪日外国人旅行者を6,000万人まで引き上げる目標を掲げています。
2003年の520万人から、2024年には3,700万人まで達し、過去最高を記録しています。インバウンド需要は引き続き堅調に推移していくと見られていますね。

木内:
もう一点は円安と低金利の組み合わせです。HICAPには外資系ファンドも数多く出席していましたが、彼らは世界中から集められた兆単位の資金を運用しています。その中で日本市場は依然として大きな伸びしろがあり、金利もアメリカやシンガポールと比較して約3分の1の水準であるため、投資のしがいがあると判断されています。
さらに、日本のゼネコンは高い技術力と信頼性を有しており、タイムオーバーラン(※)のリスクが非常に少ないという強みがあります。この成長性と安全性を兼ね備えた日本は、まさに理想的な投資先と言えるでしょうね。
そんな日本国内で面白いことをやっている会社ということで、我々LDが実は注目を浴びたんですよ。
※タイムオーバーラン
プロジェクトに係るリスクの一つ。プロジェクトが予定期間内で完工しないことにより、建設中期間の借入金利、人件費等の追加費用が発生すること。

――これほど主要な投資家や経営幹部が集まる中で、LDが注目された理由もお伺いできますか?
渡部:
日本は訪日外国人が急増しているにも関わらず、ラグジュアリーホテルが供給不足の状態にあります。
これまで、ラグジュアリーホテルは初期投資が膨大であるため収益を上げにくいという通念がありましたが、近年では一泊数十万円から数百万円という価格帯のホテルが登場し、海外では非常に盛況です。ビジネスとして十分に成立する市場へと変化を遂げているのです。
木内:
しかしながら、ラグジュアリーホテルの投資回収には長期間を要するという懸念が依然として存在します。そこで海外では、ブランデッドレジデンスを併設販売することで、回収期間の短縮を図る事例がいくつか登場しています。
日本国内でこのビジネスモデルに日本企業として初めて取り組んだのが、まさしく私たちLDなのです。
――LDが初めてだったんですね!軽井沢のホテルのことですよね?
木内:
そうですね、以前にもお話しした「Anantara Karuizawa Retreat」(記事はこちら)のことです。このプロジェクトでは、必ず「ブランデッドレジデンスはどうやって販売するのか?」という質問が寄せられます。
通常では手が届かない高額帯の別荘ですから、もちろん容易に売れるものではありません。しかし、我々はグループ内でSotheby’s International Realty🄬(以下、SIR)のフランチャイジーを保有しています。
グループ内で販売まで完結できる体制を説明すると、「おおっ、それは蓋然性が高くていいね!納得できる。」と評価してくださるわけです。出口戦略を明確に描けるデベロッパーはそう多くないのが実情ですからね。
渡部:
実際、海外のデベロッパーからは「今タイで物件を開発しているから、SIRで販売を手伝ってもらえないか?」といった依頼を受けることがあります。また、投資家からは「日本市場への投資に興味を持つ人は大勢いるから、次のプロジェクトでは絶対に声をかけてほしい」といった声をいただきます。
HICAP後に個別でミーティングする機会も設けたので、ビジネスが更に広がっていく感触がありますね。

――HICAPに参加して感じたことを率直に教えていただけますか?
木内:
2~3年前から会社として目指してきた方向は決して間違っていなかったし、アジア全体のマーケットにおいてリストグループのプレゼンスは確実に上がってきていると自信がついたカンファレンスでしたね。
進行中のプロジェクトが全て順風満帆というわけではないですが、進んでいる方向性は合っていると胸を張って言えるので、多少の試行錯誤も含めて今は仕事がとても楽しいですね。
渡部:
軽井沢プロジェクトの発表以降、不動産業界におけるLDの立ち位置が大きく変わったことを肌で感じていますね。
6月にバンコクに赴いた際と、今回のHICAPと、実は私は直近で「Japan &North Asia Hotel Investors Summit」にも出席しているんですが、リストグループの認知度が格段に向上していました。
「リスト=アナンタラを手掛けた会社」「リスト=ブランデッドレジデンス」という形で代名詞のようになっていて、SIRも含めて日本市場におけるブランデッドレジデンスの先駆者の立ち位置を確立していけるように感じますね。
木内:
業界内での立ち位置が明確になるにつれて、世界の投資家やブランドから「私たちも日本で事業展開をしたいから、一緒にやりましょう!」と声がかかるようになってきます。
実際に前回のミラノ・デザインウィークをきっかけに事業提携が決まったブランドも出てきていますし、投資家の方々の資金を上手く活用できるようになってくると国内では類を見ない際立ったビジネスを展開する会社になれるのではないかなと思います。
――ここ数年で本当に目まぐるしく会社が変わってきていますよね。
ええ、そうですね。私自身が想像していたよりも遥かに速いスピードで変化してきています(笑)。この場ではお話しできないことも今たくさん起きていて、きっと数年後にはよりエキサイティングなLDの姿をお見せできると思います。
この変化を一緒に楽しめる、挑戦意欲に溢れる方にご入社いただけたら、これほど嬉しいことはありません。

世界中で日本文化が注目されてきていることはすごく嬉しいですよね。また、LDの成長可能性を強く感じるインタビューだったのではないかと感じます。
実は、今回は記事に載せられない話もたくさんありました。そこをお伝えできるとビジネスチャンスの広がりをより感じていただけると思うので、興味がある方はぜひ木内さんか人事に詳しく聞いてみてくださいね!