不動産会社が北海道で農業を始めたワケとは?若き代表の挑戦に迫る!
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2025.04.16
プロフィール
鈴木 篤(すずき あつし)
所属:リストデベロップメント株式会社 投資・開発事業本部 3部 2課 課長代理
経歴:明治大学大学院理工学研究科新領域創造専攻卒業 2013年新卒入社
新卒時はリストインターナショナルリアルティへ配属され、3年間不動産の売却営業を担当。その後、リスト株式会社へ異動し、経営企画部、社長室に所属。リストプロパティーズへ異動後は、シェアオフィス事業の立ち上げに参画。小売電気事業「Listでんき」や渋谷の無人ホテル「Re:Once Shibuya」といった新規事業の立ち上げも行い、2023年にリストデベロップメントへ異動。現在は「THE TOWER 湘南辻堂」や軽井沢のホテルプロジェクトの商品企画を進める。 趣味は料理、漫画。
――まずは鈴木さんの大学生活を教えていただけますか?
かっこよく言えば学問一筋!って感じの生活でしたね。学部生時代は建築学部所属だったので課題が多かったですし、院生の頃は学部生のTAをしながら被災地復興の研究をしていて、現地に何度も足を運んでいました。
建築サークルにも所属していたので、1人の建築家にフォーカスを当ててその思考や作品を研究したり、旅行を兼ねて地方へ実際に建築物を見に行ったりと、友人たちとワイワイと活動していました。
――就活はどのように進めたのでしょうか?
大学院への進学は念頭にありつつも、学部生の時はものの試しで、とりあえず知っている大手デベロッパーをいくつか受けてみました。何も考えず知名度だけで受けていたので、もちろん良い結果は出ず。振り返れば、当時の自分はとても甘かったなと思います。
その時の反省があったので、院生時の就活はしっかりと自分の軸を固めてから企業探しを始めました。「横浜にかかわる仕事ができること」「なにかを作り上げる仕事ができること」「50~300人規模の会社であること」の3つを軸に、デベロッパーやイベント制作会社を中心に受けていきました。中にはブライダルもありました(笑)。
――なぜその3つの軸だったんですか?
まずは、横浜出身で横浜に関わりたいというのがシンプルな理由ですね(笑)。加えて、やはり学生の頃の経験は大きく影響していて、なにかを作り上げたいという想いは強かったですね。ワイワイと意見交換をしながら、時には研究室に泊まり込んで、みんなで一つの何かを作り上げていくのがすごく好きだったんだと思います。
この2つは学部生の頃からもぼんやりと思っていましたが、3つ目の会社規模という点で大手ではなく中小しか見なくなったのは大きな変化だったかもしれません。
――確かにだいぶ変わりましたね。どうしてですか?
大手に行った場合、きっと大きな組織の駒の一つにしかなれないなと感じたんです。何万分の一の社員になるわけだから、自分の影響力って本当に小さいなと。別に大学院に進んだことが無駄だったとか悪かったとかは一切思わないんですけど、とはいえ社会人歴で考えたら学部卒より2年遅れるわけじゃないですか。
だからこそいち早く成長して自分の仕事の幅を広げられる環境を選びたいなと考えていったら、駒として社会人をスタートすることにもったいなさを感じました。
――鈴木さんの3つの軸で考えると、リストは当てはまっていそうですね?
そうですね。当時は今のように分社化はしていませんでしたが、それでも不動産仲介だけでなく戸建やマンションの分譲、駅前の再開発、様々なCSR活動をしており、何かを作り上げるような企画職の仕事をするチャンスがあると感じました。地域密着で横浜への貢献度も高い印象を受けましたし、20代が活躍している様子も見て、会社の規模的にもちょうど良さそうだなと思いました。
ありがたいことに内定をいただけたので、そこで就活は終わりにしましたね。
ただ…。「院卒なのにおまえマジでそんな会社いくのか?!大手企業にしないの?!」と、研究室の教授には猛反対されました(笑)。
――教授が仰る気持ちも分かる部分はありますよね。
まぁそうですね。でも私自身は全然気にしてなかったですね。「はい、行きますよ。」と。大手に入り駒として10年過ごすより、リストに入って10年いろいろなことにチャレンジできたほうが成長速度は圧倒的に早いと思っていました。やはり、人を成長させるのは「経験」や「場数」だと思っているんで。
それに、まずは成長したうえで、それでも大手に行きたいって思えば10年後、15年後に行けばいいじゃんと気軽に捉えていた部分もありました。その方がやりたい仕事の部署にストレートで入れる可能性も高いですしね。
あとはちょっとドライに考えていたところもあって、どんな会社に入っても1年目からやりたいことを能力的にもできるわけがないと思っていて、学生卒業直後の能力でできることが本当にやりたいことなら長い社会人生活やっていけないよ(笑)。
だからこそ、まずは成長して「できる人」になることが、結果としてやりたいことをやるための近道になると思ったんです。
――社会人13年目を迎えていますが、実際に大手に行きたいなと思うのでしょうか?
まだリストでやりたいなってのが純粋な気持ちですね。転職しようと思えばできるし、たぶん給料も上がると思いますけど、リストにはまだまだ面白いことがいっぱいあると感じています。
もちろん大手企業と比較したときに、事業一つ一つの規模はまだまだ敵わない部分もある。でも、総合不動産でやっているからこそ活かせるリソースはめちゃくちゃたくさんあって。
「5年後、これをやりたいな」と前もって考えるタイプではないので、なにか思い立った時に転職や起業ではなく、社内異動で実現できちゃうところがリストの良いところだなと感じています。
――実際に鈴木さんは社内のリソースをフル活用して様々な新規事業にチャレンジしてきていますよね。
そうですね。入社後3年間は営業職でしたが、4年目以降は企画職としていろいろなプロジェクトに携わってきました。160棟の大型新築戸建分譲プロジェクト、本社のリノベーション、シェアオフィス事業、軽井沢の保養所、小売電気事業から無人ホテルと本当にいろいろな事業の企画・立ち上げをやらせてもらいました。
最近では辻堂駅再開発の企画や、LDでの新規事業となるホテル開発の商品企画に携わっており、非常に密度の濃い社会人生活だなと思います。
――社内でこんなにいろいろやってる人って他にいないですよね(笑)。
まぁ、だいぶ特殊だとは思う(笑)。そういう意味じゃ学生さん向けには参考にならないかもしれないね(笑)。つらい時もあったけど、その時々の上司の方々がしっかりと向き合ってくれていたと思います。だから一生懸命やれたし、高速で成長することができて、自然と成果が出せるようになりました。
そうすると、いろいろな仕事を任せてもらえたし、仕事のやり方もある程度は自由にやらせてもらえるようになったなと思います。転職を考えない理由はここも大きな要因ですね。
もちろん自由には責任が伴いますが、やりたいことを思いっきりやらせてくれる今の環境は本当にありがたいと思っています。
――それだけいろんなことをやってると、正直かなり忙しいんじゃないですか?
若手の頃は仕事にかなり時間を使ってきたと思います。たぶんね、みなさんの想像以上に(笑)。でも建築学部出身だったこともあって、夜遅くまで何かやることに対して違和感は全然なかったし、そもそも仕事だと思ってやっていなかったですね。
一緒に働くメンバーの熱量が高くて、みんな本気で「良いものを創りたい!」と思って議論をするので、その過程がとにかく楽しくて。そうやって本気で取り組むと、ただ楽しいだけでなく結果もついてきます。
無人ホテルはリストグループ初の試みでしたが、構想から仕入、企画、設計、リノベーションからオープンまで一人でやりきって、グッドデザイン賞を受賞することができたのでとても嬉しかったですね。
あ、一応言っておくと、子どもが生まれてからは働き方のバランスは取るようにしていますよ(笑)。家事育児もあるので、18時過ぎには帰る日がほとんどです。
(無人ホテル「Re:ONcE Shibuya」2020年度「グッドデザイン」賞を受賞)
――今後、チャレンジしていきたいことはあるのでしょうか?
いろんなことをやってきましたが、自分としては新築で何かを作るよりも既存の建物をリノベーションすることに面白さを感じています。新築よりも既存物件のほうが制約も多くて、難易度が高いからかな。どうやって建物の歴史を紡ぎながら価値を最大化し、その上で新しい何かを生み出せるか考えていくのは非常にやりがいを感じます。
もう一つは横浜や関内での再開発ですね。今、リストにいる一番の大きな理由は、そこに関わるチャンスがあるから。まだ先かもしれないけど、横浜に本社があるデベロッパーとしてそこに関われるチャンスは必ずありますし、会社にとっても一大プロジェクトになりますよね。プロジェクトが動き出したら絶対に携わりたいですし、今からワクワクします。携わるためにも今の仕事をしっかりやらないといけないけどね(笑)。
本当にリストはいろんなリソースがあって、やれることが多いと感じます。自分からしたら宝箱のような感覚です(笑)。
――鈴木さんはこれまでかなり特殊な経験をされてきたと思います。それを踏まえて、会社ってどうやって選んだらいいと思いますか?
だいぶオープンな質問だね(笑)。うーん、そうだな…。「新卒で大手とベンチャーのどちらに入るべきか?」といった議論がよくあると思いますが、個人的にはどちらを選んでも結局は自分次第だと思っていて。
どこに入るかではなくて、入った後にどう自分の市場価値を高めるかを考えたほうがいいと思っています。
――市場価値は最近よく言われるキーワードですよね。市場価値って、なんだと思いますか?
シンプルに言えば需要と供給。もう少し言うのであれば、自分が転職市場に出た時に、他社から年収いくらで来てほしいと声がかかるかどうか、だと思います。そのためには希少性が大切で、人と違う選択・経験をしていくことはそれに繋がると思いますし、専門性を掛け算していくことが大事だと思います。
例えば英語は分かりやすくて、一昔前は英語を喋れること自体に希少性があったけど、今は英語を話せる人が増えてきていますよね?そうすると英語を話せるだけではなくて、例えば営業もできたり、プロジェクトマネジメントもできたり、といった形で専門性が2つ3つと重なっていかないと希少性って高まらないですよね。
――希少性を高めるために、日頃からどんなことを意識すればいいのでしょうか。
まずは自分の強みと弱みを理解して、強みは他の人に負けないようにグッと伸ばして、弱みも周りに迷惑をかけない程度までは成長させることかな。そのうえで強みがいくつもあってかけ合わさることが希少性になっていくと思います。
自分の強みは“全体を俯瞰的に見れること”と“論理的な思考力”かな。一方で同じことを繰り返すことは飽き性なので苦手です。いろいろな新規事業も、はじめはどれも全くの未経験のところからスタートしますが、強みを活かして分からないことも自分で調べて、考え抜いて、解決してきたからどれも形にすることができたと思います。
あとはコミュニケーション能力だね。希少性とは直接的に関係ないかもしれませんが、結局仕事は一人ではできないので、コミュニケーション能力が高くて、いろんな専門性を持っている人と上手くプロジェクトを進めていくことができればなんでもできるんじゃないかなと思います。
――ありがとうございます。最後に学生さんに向けて一言いただけますか?
先ほどもお話しした通り、個人的には「どこに入るか」は重要ではないと思っています。それよりも、楽しく働ける職種や環境を選ぶことの重要度のほうが高い。
「この会社、待遇はいいけど、仕事はつまんないなぁ」と思いながら週40時間過ごすのは人生もったいないんじゃないかなと思います。そういった意味で、リストは熱量を持って仕事をしている人が本当にたくさんいるので、「せっかくやるなら仕事も全力でやりたい!」人にはお勧めです!