リストグループ初のホテルコンドミニアム開発! ラ ヴィーニュ白馬
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2025.04.16
プロフィール
渡部 恭士(わたなべ きょうじ)
所属:リストデベロップメント株式会社 投資・開発事業本部 3部 部長
経歴:青山学院大学大学院経営管理学修士卒業 2024年中途入社
龍谷大学法学部卒業後、コーネル大学ホテル学科PDPコースを修了し、青山学院大学大学院経営管理学修士(MBA)を卒業。新卒時は日本航空開発へ入社し、その後インターコンチネンタルホテルズアンドリゾーツ北米本社統括国際営業部長、ANAインターコンチネンタルホテルズ東京統括営業部長、リージェントインターナショナルホテルズ日本・韓国地区支社長、ザ・リーディングホテルズ・オブ・ザ・ワールド日本支社長を歴任。その後も国内外のリゾート・ホテル業界で活躍。
2024年にリストデベロップメント株式会社に入社。趣味は料理。
――学生時代はどんな風に過ごされていたのですか?
今はもう乗っていないのですが、若いころにモトクロスというバイクのレースにはまって3年くらいやっていました。ぐにゃぐにゃした道を走りながら途中の山なりの箇所でバスを飛び越えるくらいのジャンプをするような競技です。
私は高所恐怖症だったのですが、競技中は負けたくない気持ちが勝って怖さが飛んでしまっていたので、今考えるととても危険なスポーツでしたね。1年間だけスポンサーがついてくれてバイクを借りて多くの大会に出られたのはいい思い出です。
――今までホテルやリゾート業に長く携わられている渡部さんですが、はじめにホテルに興味を持ったきっかけは何だったのですか?
私の祖父が日本において初期のホテルマンの一人だったことが大きなきっかけです。写真でしか見たことのない祖父ですが、帝国ホテルの開業や神戸のホテルの総支配人をやっていたと話を聞かされていて、「なんか…ホテルマンってかっこいいな!」と思っていました。
――そんなきっかけからご自身もホテル業界に関わるようになっていくのですね?
はい。大学時代にホテルでベルスタッフのバイトをし始めたのがきっかけで、多様な国の人々と関われることは私にとって非常に魅力的でした。
また、当時の大きなホテルは宿泊だけでなく、レストラン、クリニック、ミーティングルームなど多くの機能があり、いわば一つの街のようになっていることに素晴らしさを感じてホテル業界への就職を決意しました。気づけば業界に首までどっぷりと浸かっていますね(笑)。
――就職後の職歴についてもお伺いしてよろしいですか?
新卒では日本航空開発に入社しました。後にJALホテルズやオークラニッコーホテルマネジメントになっていく会社ですね。その後はいくつかの会社とご縁がありましたが、インターコンチネンタルホテルに転職してからが長くて、20年くらい勤めていましたね。
はじめはマウイ島に島流しに遭いましたが(笑)、シカゴ、ニューヨーク本社と様々な場所を経験させてもらいました。全日空ホテルズを買収してからは外資企業と日系企業とで連携がうまくいっていなかったようで、2008年に招集がかかったのが日本に戻ってくることになったタイミングです。
――横浜のIR(統合型リゾート)計画にも携わっていたと小耳に挟んだのですが…?
そうですね。日本に戻った後も業界内で支社長やマーケティング責任者をやっていましたが、横浜の計画に関わっていたのはゲンティン・シンガポールにいた時の話ですね。ユニバーサルスタジオシンガポールの開発・運営をやっている会社です。
1兆円規模のIRプロジェクトに参加して、市やゼネコン数社などと連携しながら複合型大規模施設の開発を計画していました。ショッピングセンター、水族館、カジノ、4,500室規模のホテルなど、まさに一つの街のような規格外のプランでワクワクしていました。
残念ながら実現しませんでしたが、インバウンドで日本をもっと魅力的にするという大義のあるプロジェクトに参画できたのは非常に貴重な経験でしたね。
――宿泊業界に関する団体での活動もされているんですよね?
ええ。JALF(宿泊活性化機構)という団体で参事としてお手伝いさせていただいています。
国策として観光業の活性化を推し進める流れがある中で、法律は昭和の状況に合わせて当時作られたそのままという状況がありました。外資系ホテルの参入やインバウンド需要を満たすラグジュアリーホテルを作るなど、現代のニーズに合わせて宿泊業界をより活性化させていくことを目的に意見交換やロビー活動を行っています。
建築家の隈研吾さんや星野リゾートの星野さんなど、業界の名立たる方々と意見交換をすることができとても刺激になっています。
――多彩なご経歴ですね!
振り返ると、本当に多様な国や企業で経験をさせてもらいました。若い人はもうあまり使わないのかもしれないけれど、Facebookを使っていると誕生日に70か国ぐらいの友人からハッピーバースデーのメッセージが送られてくるんです。
国内外のお客様や仲間に出会うことができるのはこの業界の大きな魅力の一つかもしれませんね。
――多くの方に会われてきた中で、何か印象に残っているエピソードはありますか?
ニューヨークで国連を担当した際に、当時の日本国総理大臣が宿泊されることもありました。シャワーの使い方を教えてくれと呼ばれご説明していたところ、誤ってシャワーの水をかけてしまうという大失敗をして平謝りをした経験があります。
今では笑い話ですが、当時はとんでもないことをしてしまったと気が気ではありませんでした(笑)。
パッと外に出て戻ってきたその方にバスタオルを手渡され、「これ使いなさい」と一言。私を気遣ってくださる姿に、とても懐が深い方だなと感銘を受けたのは忘れられない出来事です。
――どうしてリストデベロップメントに入社されたのですか?
理由は大きく二つあります。一つは信用力の高い会社だと感じたからです。
私自身、今までの知見を活かしながらインバウンドの顧客にも響く質の高いホテルなどの商品を造れる環境でチャレンジをしたいと考えていました。ハイクラスなホテルを作るには外資のブランドとの取引機会も増えますが、そういった企業と仕事をするには相応の信用力が必要だと考えています。
リストグループは世界中の高級不動産ネットワークを持つブランド「Sotheby’s International Realty🄬」の日本での独占使用権を持っているので、世界的なブランドの信用を得ていて、身を置く会社としても取引においても信頼できる会社だと思いました。
もう一つは、経営層の方々とのお話の機会や、社員の方々からプロジェクトの説明を受けた際に、皆さんとても楽しそうに語っていらっしゃる姿が非常に印象的で。
私個人としても、次に行く会社では楽しみながらやりたい仕事をしたいという想いが強かったため、楽しそうに仕事をしている仲間に囲まれて働けることに魅力を感じ、リストでお世話になることを決めました。
――入社されて半年ほど経ちますが、何かギャップなどは感じますか?
不動産業界は言葉を選ばずに言うと、チャラい方もいるのを実際に見てきました。それに比べてリストの皆さんと一緒に仕事をしていると、まじめで一生懸命に仕事をされる方が多いなと感じています。
また、グループのクレドである「リストイズム」が社員に浸透していることには驚きました。先程の話と近いですが、高級な物件だろうが一般的なマンションだろうが会社としての信用や担当への信頼が無ければ売れるものも売れないと思っています。
リストのクレドは実践できれば信頼される人材を醸成できるような内容になっていますし、それが共有されているからこそ会社として成長しているのだなと納得しました。
――渡部さんがお仕事で大切にしていることを教えてください。
お客様にいかに喜んでいただけるかを常に考えることです。大前提、我々は営利企業ですし不動産としていかに利益を出すかといったことは会社の存続にも必要なことです。
ただ、喜んでもらえればお客様から対価はいただけると考えているので、購入されるお客様やホテルに泊まられるお客様をいかにハッピーにできるかを日々模索しています。
そのために、評価の高いレストランで食事をしたり、サービス面で評判のホテルに泊まってみて、何が良いのかっていうのを肌で感じることを心掛けていました。
決して安くはないのですが、自分が感動したものや楽しいと思えたことを蓄積して、引き出しを増やしていければお客様に喜んでもらえるものに近づいていけると思っています。
――今後リストで実現していきたいことがあれば教えてください。
今進行しているプロジェクトをはじめ、今後日本を代表するようなラグジュアリーホテルやブランデッドレジデンスをつくっていきたいと思っています。
友人にリストに転職したことを伝えた際、たまたまその友人がリストの分譲マンションを購入していたようで、「めっちゃいいマンションで気に入っているよ」と言ってくれて。転職して間もないながら誇らしく嬉しい気持ちになりました。
お客様に感動してもらってリピーターになって「帰ってきました」と言われたらこれ以上嬉しいことはないし、人にも紹介したくなるような商品をつくりたいと思っています。
私個人としては、今までに経験してきたことや溜まってきたノウハウをお墓に持っていくのはつまらないので、皆さんに共有していきながら共により良いものを創りあげていきたいですね。
――最後に学生さんに向けて、仕事を選ぶうえで大切だと思うことを教えてください。
そこで働いたら自分が楽しく働けそうかを見極めるのは重要だと思います。遊びは遊びで楽しいけれど、一生懸命働く平日の仕事も楽しい。仕事だけでもプライベートだけでもなく、どちらも充実すれば人生楽しいはずですから、その意味でワークライフバランスは大切な要素です。
加えて、三方よしの観点も持っておきたいです。一般的な意味とは違うかもしれませんが、自分は成長できて楽しいし、お客様にも喜んでもらえるし、会社も成長していく。仲間がいて初めて会社や事業は成り立つわけで、自分が貢献して会社を成長させることで利益も分配される。いろいろな利害関係がある中、誰かだけが得したり損したりといった関係性は続きませんから。
会社や仲間と一緒に自分も成長したい。そう思える環境を選べれば良い選択になるんじゃないかと思います。