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2025.11.12

駅直結、湘南の新たなランドマーク誕生!―「辻堂駅前開発プロジェクト第二期」開発秘話 Vol.1

駅直結、湘南の新たなランドマーク誕生!―「辻堂駅前開発プロジェクト第二期」開発秘話 Vol.1

≪物件概要≫
物件名:THE TOWER 湘南辻堂
住所:神奈川県藤沢市辻堂1丁目2−2
アクセス:JR東海道本線・湘南新宿ライン「辻堂」駅
延床面積:約25,342㎡
構造:鉄筋コンクリート造 地下2階・地上29階建 (高層棟)
鉄骨造 地上3階建(低層棟)
総戸数:住戸196戸、店舗11区画
設計監修:株式会社久米設計
設計:株式会社久米設計
株式会社フィールド・デザインアーキテクツ一級建築士事務所
施工:株式会社鴻池組
デザイン監修:株式会社グラマラス(外観・住宅エントランス等)
竣工:2025年9月中旬

この度、藤沢市辻堂駅前にて長年の構想を経ていよいよ竣工を迎える「THE TOWER 湘南辻堂」。 この開発事業は、単なるタワーマンション開発に留まらず、地域の未来を担う複合開発プロジェクトです。今回は、プロジェクトを牽引してきた担当者に、その熱い想いや開発の裏側に迫るインタビューを実施しました。

辻堂駅前開発のDNA

ええ。元々、2010年に「リストレジデンス辻堂タワー」という、辻堂駅前開発の第一期が竣工しました。当時から第二期の構想はあったのですが、まだ開発の範囲は確定していない状況でした。地権者や商店街の方々ともお話ししながらどんな開発にすべきなのかを時間をかけて考えてきました。ようやく開発範囲が確定し、2019年に企画の決裁がおりたことがきっかけで第二期プロジェクトが始動した形です。

2019年に企画として決裁された際、代表の北見さんと開発の方向性についてお話をする中で、「かっこいいの作ろうよ。」と声をかけていただきました。第一期から10年以上期間が空くので、「同じものは決して作らないでくれ。リストがこの10年超で会社としてさらに成長したことがわかるようなものを企画しよう。」と。これが、プロジェクトを進める上での大きな原動力になりましたね。

基本的には最後までプロジェクトに関与しています。例えば、街づくりのコンセプト検討から行政・関係各社との折衝など、開発プロジェクトの根幹になる内容の協議等を中心に、事業を推進してきました。その後も、地権者や近隣住民・商店街や自治会との協議、マンション販売の準備や販売に関する問題解決、プロジェクトコストのコントロールなど、気が休まる暇はなかったですね。

本当に住みやすい街、辻堂

「本当に住みやすい街大賞」(※)で第1位に輝くなど、住宅地として注目を浴びています。もともと辻堂は駅の北側に大規模な工場があったため、今ほど住宅地としての人気はありませんでした。しかし、工場の撤退に伴った開発を機に、湘南エリア最大級の大型商業施設「テラスモール湘南」をはじめ、大型都市公園、総合病院、複合ビルなどが誘致され、湘南エリアの中でも人気の住宅地へと変わっていきました。

※SBIアルヒ株式会社発表「本当に住みやすい街大賞2022 関東版」
https://www.sbiaruhi.co.jp/cp/town_ranking/2022_kanto/

そうですね。加えて、リストグループにとって非常に思い入れのある街でもあります。
2003年に今回の開発地の一部を取得し、不動産仲介の店舗を置いていました。第一期の駅前開発計画が2007年頃から始まったことを考えると、まだ住宅地として注目を集める前から大規模プロジェクトに着手していたわけで。相応のリスクが伴っても取り組むべきエリアだという私たちの覚悟を感じていただけるかと思います。

ええ、本当にその通りですね。
人気が出る前から住宅適地として見込んできた会社としての自負がありましたから、「湘南・辻堂エリアの住宅といえばリストだよね」と言ってもらえるような良い開発にしたい。プロジェクトに携わるにあたってそう意気込んでいたのを思い出します。ただマンションを作って利益を得るだけでなく、地域に愛される街づくりこそが重要だと考えています。そのため、開発におけるコンセプトづくりには相当な時間をかけて丁寧に取り組んできました。

街の歴史から導いた多様なライフスタイルの実現

はい、湘南エリアで最も高い98mの駅直結型複合タワーです。街のシンボルとも言えるような建物に仕上がってきたのを見ると、やはり担当者として感慨深いものがあります。ただ、今回の開発プロジェクトはタワーマンション開発を前提に動き始めたわけではありません。私たちが介在することによってこの街の価値が上がり、地域の方々から必要とされるものを作りたいと考えた結果、タワー型の複合開発という結論に至りました。

まずは、辻堂というエリアの歴史的な由来や背景を調べるところから始めました。元々辻堂周辺は、複数の街道が入り混じる交差点(辻)のような場所で、東西南北から人々が集まる文化の交流点になっていたと言われています。また、湘南方面は自然豊かで、海の印象が強い地域です。海岸線のゆったりとした雰囲気が好きな方やサーファーの方には根強い人気があるエリアとして知られていますよね。

不動産の観点で言えば、駅の南口となる海側は低層の戸建が広がっていますし、駅周辺に広がるマンションはファミリー向けの商品が大半を占めるエリアです。これまで通り、湘南・辻堂エリアの雰囲気や良さを取り入れつつも、さらなる発展のためには多様なライフスタイルの実現を目指すべきだと考えました。まさに、昔の辻堂のように多様な人々が四方から集まってくることで街の発展に繋がる、そういった考えに基づいて建物のコンセプトなども作成していきました。

南口活性化に向けた仕掛け「賑わいの創出」と「回遊性」

先程お話しした通り、海側には低層の戸建住宅が広がるエリアになっています。また、駅周辺には地域に密着した個人商店が立ち並ぶ『湘南銀座商店街』があります。しかし、北側の開発による大規模商業施設の誕生により、残念ながら南側の商店街が徐々に寂れてきたのも事実です。駅前でありながら人が集まらず、通過するだけになってしまっていた現状もありました。本来、地域の方々が利用しやすい商店街がこのままではいけない。駅の南側にも新たな賑わいをもたらすような仕掛けが必要でした。

まず、商店街側にショーウインドウが連続するよう、1~3階にかけて可能な限り店舗区画を配置してもらうよう設計に依頼しました。一般的に、マンションの低層階には駐車場、駐輪場、集会場のような共用部が配置されやすく、壁面や駐車場の入口になってしまうケースも少なくありません。しかし、それでは商店街との連続性や立体的な店舗の広がりが表現できないため、それだけは絶対に避けたいという強い思いがありました。結果的に良い形で店舗を構成できたのは、関係各社様のご協力の賜物です。

100m近い高さにもなる建造物は存在感があり、遠くからでも見える点において街のシンボルになってくれます。反対に、近くにいる時にはそのスケールの大きさが故に見上げるしかありません。ただシンボルであるだけでなく、近隣住民の方々にとって身近に感じていただけるものを何か作れないか。そんな想いが発端で、見上げずとも目線に入る3階建ての低層棟を設けることにしました。

この低層棟を含めた3階まではガラス張りになっていて、人々が集まっている姿や明かりがついていることも一目でわかるようにしています。近くを通る方がパッと顔を上げた時に、視覚的な賑わいを感じていただけたら大変嬉しいです。

店舗の構成はこだわったポイントなので、そう感じていただけることを願っています。高層棟も3階まで店舗区画を設けているのですが、実現するにあたって懸念も存在しました。1・2階の店舗に比べて、3階の店舗は近寄りづらいことです。店舗数を増やしても、お客様が呼び込めず空きテナントばかりでは本末転倒ですから。

本開発においては、駅からのデッキが2階に接続し、低層棟を2・3階と連結させています。立体的に人々が行き交いやすくなる動線を作り、人々が流れやすくなるようデザインをしました。

確かに、デベロッパーだからこそ取り組める醍醐味かもしれません。また、今回の対象地は元々複数の建物が連続しており、駅側と海側が分断され歩行者が行き交いづらい形になっていました。そこで、敷地内に「ポケットパーク」という南北を往来できる通路を作り回遊性の向上を図るとともに、反対に高層棟と低層棟の間に何もない空地を作り出しました。

決して広いスペースではないものの、足元にゆとりをもたらすことでこれまで立ち止まることのなかった場所に人が立ち止まり、集まるようになる。南口側には駅前広場が無いため、そんな役割も果たしてくれれば良いなと考えています。

苦難の中で実現した駅直結のペデストリアンデッキ

もちろん、様々な工程において苦労する場面はありました。特に難航したのが、駅や北側の商業施設まで直通となるペデストリアンデッキという高架歩道の設置です。当初は、第一期開発のマンションの敷地の端にデッキを繋ぐ予定でしたが、いくつか問題が発生したことでプロジェクトが止まってしまいました。代替案を検討するものの、安全面などを考えると1年や2年では解決の目途が立たない状況でした。どうすればデッキを掛けられるのか、行政や鉄道会社と協議を重ねる日々でしたね。

「このままでは時間をかけて構想を練ってきたものが形にできない。」そんな危機感を日々感じていましたね。中々進捗のない状況でも行政に足繁く通い、この開発が街にもたらすインパクトやこれからの南口の発展に寄与する開発であることを訴え続けた結果、現在の位置に設置することを許可していただけました。このデッキは、歩行空間と自動車の走行空間を分ける「歩車分離」にも繋がるため、歩行者の安全を考慮した歩きやすい街づくりにも繋がっていきます。

コスト面や工期においての苦労はありましたが、より良い街にしたいと想いをともにする皆様のご尽力によって、何とか直結のデッキを完成させることができました。第一期開発の際も藤沢市のご協力のもとプロジェクトを進めていましたが、当時の弊社の取り組みを評価いただいていたようでした。10年以上の時を経たこの度のプロジェクトにおいても大変協力的にご対応いただきまして。辻堂をより良い街にしていくチームとして非常に心強く感じるとともに、改めて日々の仕事において信頼していただくことの大切さを感じました。

デベロッパーとしての街づくりへの想い

今回の駅前開発は、商店街や地域の方々と協議することなく、広場やデッキを作らずに単体のマンション開発であれば、もっと早く竣工できていたと思います。マンションを作って、購入された方に喜んでいただき自社が儲かればプロジェクト完了、という考え方もできます。しかし、私たちデベロッパーの価値は、街の発展にいかに貢献できるかだと私は思います。

これまで湘南・辻堂エリアに住まなかった方が魅力を感じて住むようになり、周辺住民の方、このエリアで働く方など、街に関わる様々な方にとって居心地がよく、誇りに感じられるような街づくりを行うこと。こういったことができて初めて、「リストは良いものを作ったね」と評価をいただけると考えています。今後もこの想いを大切にしながら、様々なプロジェクトに携わっていけたら嬉しいですね。

インタビューの中で、渡邊さんの辻堂エリアや街づくりに対する「想い」が伝わってきました。単なる建物の開発に留まらない、地域の未来を見据えたビジョンを形にした本プロジェクト。「THE TOWER湘南辻堂」は、湘南の新たなランドマークとして、辻堂の街に新たな活気と魅力を吹き込むことでしょう。当プロジェクトの他の担当者にもインタビューしておりますので、続編にもどうぞご期待ください!

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