会社も社員も「挑戦」を!事業領域の広さを活かすリストグループのジョブローテーション制度
- キャリアチェンジ
- 新卒
2025.05.07
《物件概要》
物件名:リストレジデンス横濱桜木町
住所:神奈川県横浜市中区野毛町三丁目136番
アクセス:JR京浜東北・根岸線、横浜市営地下鉄ブルーライン「桜木町」駅
京浜急行「日ノ出町」駅
構造:鉄筋コンクリート造 地上9階/地下1階 建 延床面積 約4,700㎡
分譲戸数:58戸
設計:鉄建建設 一級建築士事務所
施工:鉄建建設
デザイン監修:リストデベロップメント 企画設計部
インタープラン・デザインセンター
竣工:2023年12月
マーケットからの引き合いも強く、早期完売したリストレジデンス横濱桜木町(以下、LR桜木町)。リストグループの社員や、あるスーパーゼネコンの所長といった、いわゆる「プロ」も多数購入したのが本物件の特徴です。
今回の開発コンセプトや物件に懸ける想い、プロジェクトで苦労した点などをざっくばらんに設計担当者の鈴木さんに語っていただきました。
プロフィール
鈴木 昭二(すずき しょうじ)
所属:リストデベロップメント株式会社 企画設計部 2課 担当課長
経歴:東海大学工学部卒業 2021年中途入社
新卒後に大手組織設計事務所やアトリエ事務所にて設計やデザインに携わり、ホテルや商業施設などを手掛ける。設計事務所として約10年独立して事業も行い、2021年にリストデベロップメントへ入社。多彩な経験を活かし、リストデベロップメントの様々な開発物件を手掛ける。
趣味はスキー、ゴルフ、ハマスタ観戦。
――物件のこともそうですが、手始めにまずは「桜木町」がどういうエリアなのか教えていただけますか?
「桜木町」は横浜の中心的な街で、「赤レンガ倉庫」や「横浜ランドマークタワー」といった人気観光地がある他、大型のショッピングモールも多く観光にもショッピングに優れています。
元々のポテンシャルが高いエリアですが、近年横浜市役所が関内から桜木町に移転してきたことで、より注目度が高まりましたね。加えて京急グループや日産、ENEOSといった有名企業もみなとみらいへ本社移転を進めたことで、ビジネス面においても発展が見込める街となりました。
複数の鉄道路線や駅が利用可能で交通の便も良く、居住地としても人気の高いエリアだと思います。
――桜木町は歌にもなっているので、横浜に地縁が無い方でも知っていることが多いですよね。その中で、LR桜木町はどのようなコンセプトだったのでしょうか?
全体の開発コンセプトは
「YOKOHAMA CENTRAL PLACE 価値ある不動産を、あなたへ」
です。
その中で、外観デザインは赤レンガ倉庫のような、横浜特有の港町の風景を基調として「横浜らしさ」を強調することを意識しています。色彩はシンプルかつシャープに仕上げ、基壇部はレンガ調のマテリアルを採用。温かみと重厚感のある佇まいで入居者様をお出迎えできるような外観となっています。
今回はマリオン(※)を入れて各居室のバルコニーを独立させたこともシャープな印象を際立たせている要素だと思います。使用面を考えても、よりプライバシー性が高まるバルコニーとなるので、お客様からもご好評いただきました。
内廊下の設計なので外廊下のように雨風が吹き込んでくることもないですし、全館空調を採用しているので、より快適な空間となっております。また、内廊下は照明での演出が可能になるので、ホテルライクでより高級感がある仕上がりになったと感じています。
※マリオン
建物の開口部に設ける垂直な部材。
――具体的に想定していたターゲット像はあったのでしょうか?
桜木町は人気のある居住地で、横浜市内では相場も高いエリアです。そこで、今回の間取りは1LDK~4LDKとして、通常のファミリー世帯に加えて、単身での購入やパワーカップルをメインターゲットと設定しています。
桜木町は各方面へのアクセスも良く、ビジネス拠点も集まってきたことから、将来性を見込んで若い世代が購入することを想定しました。
――設備面等でこだわった点はありますか?
「良水工房」を採用しています。一般的な浄水器とは違い、マンションの地下タンクに浄水システムを取り付けるので、家から出る水全てが浄水となります。実際飲まないけど、理論上はトイレの水も美味しく飲めますよ(笑)。
普段飲む水だけでなくごはんや料理も美味しくできますし、お風呂も髪や肌に優しいものとなります。肌が弱い赤ちゃんにとっても嬉しいですよね。
ターゲットとする層は金銭的にも余裕のある方々が多く、やはりそういった方は「健康」に非常に気を遣っていらっしゃる。販売当時、周辺で別の新築マンションも販売を進めておられていましたが、良水工房の採用はLR桜木町を選んでいただく理由の一つになりましたね。
――想定したターゲットがあったと思いますが、実際の購入者層はどの程度一致したのでしょうか?
かなり想定に近い形になりました!パワーカップルの方が多く、住宅ローンを組まずに一括で購入される方も何組かいらっしゃいました。
良い意味で想定外だったのは、女性単身の方の購入も多かったこと。というのも、社内的には単身の場合は男性の方が多いと予測していたんです。実はこの物件、裏に場外馬券売場がありまして。
競馬と聞くと、ギャンブルが好きでない方はあまり良いイメージは持たないですよね。なんとなく治安が悪そうだったり、人が集まってうるさそうというイメージが先行するので、女性は敬遠しやすいかなと考えていました。
――その予測があった中でも、実際に選んでいただけたのはどんな理由があったのでしょうか。
まず1つは、思っていたよりも現地の治安懸念がなかったこと。実際に何度か土日に現地へ足を運んでみたのですが、競馬の開催日はかなり手厚く警備員の方が配置されていました。周辺の清掃も行き届いていて、街全体が綺麗に保たれていたことはプラス材料でした。
その上で、今回はエントランスを道路面から一段高くして、人通りが多くても通行人と目線が合わない構造にしました。エントランスのオートロックはダブルセキュリティにしていますし、内廊下設計にしたことでどの部屋に入ったか外から見えないので防犯面で非常に有効です。
こうしたプライバシーやセキュリティに対する配慮をご評価いただけたと思います。
――内装面での工夫はありますか?
オープンキッチンにした上で、素材を変えて高級感が出るものにしました。また、収納にはこだわりましたね。設計面で細部まで詰めて、通常では壁になってしまうようなところも収納や物入に変えたり、クローゼットを少しでも広げられるよう工夫をしました。
コンセントやスイッチの高さも変えてユニバーサルデザインとしているので、誰もが使いやすい形になっています。お客様も様々なマンションと比較していきますので、そういった細かい部分も喜んでいただけたのではないかと思います。
――外観だけでなく、生活面を踏まえてご評価いただけたのは素敵ですね。
そうですね。また、ご契約者様からリストの営業担当が好印象だったという話もいただきました。「他社はけっこうゴリゴリ営業してくるけど、リストは接客に余裕があってきちんとこちらの話を聞いてくれるから安心感があった」そうです。
物件開発後の販売を安心して任せることができる部門があることは、グループ会社の強みだと改めて感じました。
――物件のお引渡しまでの間で、なにか苦労されたことはありましたか?
内覧会(※)を実施した際、非常にご要望と確認事項が多いお客様が一組いらっしゃいました。通常、内覧会は1~2時間程度で終えて、手直しが必要となるのは10~15箇所くらいなのです。ところがそのお客様は7時間かけてチェックをされて、通常では指摘にあがらないような細かな点も含めて300箇所を超えるご指摘が上がってきました。
ゼネコンさんのご尽力もあり、今回の物件はかなり仕上がりが良いと自負していましたので、正直面食らってしまったところはありましたね。
※内覧会
新築物件の引き渡し前に、物件の状態を確認する会。契約書通りに出来上がっているかどうか、物件の仕上がりや導入設備に不具合が無いか等をお客様と共にチェックする。
――どういった形でご対応されたのでしょうか?
まずは社内で事実報告しましたが、私と同じように社内でも驚く人ばかりでした。「あの仕上がりで300箇所を超える指摘はさすがにあり得ないよね。あまりに無茶苦茶なことばかり言うお客様であるなら、こちらとしても毅然とした対応をしよう。」というのが会社としての結論でした。
非常に冷たい判断のように聞こえると思いますが、それくらい仕上がりには自信があったんです。とはいえ、営業担当からは「そんな理不尽なことを言うようなお客様ではないはずだ」とも聞いていたので、ゼネコンさんと協力して誠心誠意お客様に向き合いました。
お客様と話してみると、意外なことが判明したんです。
――なにがあったのでしょうか?
そのお客様、実はご自身で建設の内装業を経営されていらっしゃる方だったんです。指摘が多かったのはご自身のプロ意識からきたものでした。もしかしたら、当社の対応姿勢を試すような部分もあったのかもしれないです。
ただ、私たちももちろん本気で向き合っているので、「ここはしっかりと手直しをする。ここは●●の理由でこの仕上がりが限界です。」と一つ一つ丁寧に説明したところ、すんなりとご納得いただけました。
一見厳しかったり対応が大変だと感じるお客様も、満足していただけるとファンになっていただけるので嬉しいですよね。一年後の定期点検でお会いした際に住み心地を聞いてみたところ、「マジで最高ですね!」と仰ってくれました。お世辞を言わない方だと分かっていたので、喜びもひとしおでした。
――物件を褒めていただけるのは設計担当として感動の瞬間の一つですよね。
本当にそうですね。本物件は建設関係の方もたくさん購入してくださっていて、その中にはスーパーゼネコンの所長さんもいらっしゃいました。
内覧会では専門機材をたくさんお持ちになって、数名で仕上がりをチェックされていましたが、指摘事項はほとんど無く。後日「非常に良く出来上がっています。早く住みたい気持ちでいっぱいです。」とメールをいただくことができました。
リストグループの社員が何名か購入したことも含め、今回はいわゆる「プロ」にも選ばれる物件となりました。非常にクオリティが高いものを造ることができて誇りに思いますね。
――鈴木さんがこの物件で一番気に入っているところはどこですか?
エントランスや風除室、館銘板といった共有部の仕上がりにはこだわりました。外壁に使用するタイルもこだわって、カタログから選ぶのではなく実際にサンプルを全部取り寄せて目で見て手で触って決めていったので思い入れがありますね。
ただし、デザインを決める上ではいわゆる成金のようにキンキラしたくなくて。分かりやすく派手なのではなく、一見シンプルで馴染んでいるものの、分かる人がよく見ると良いものを使っているねと感じるような、「上質さ」を表現することは意識しました。
――完成して1年経ちますが、改めてこの物件への想いを聞かせていただけますか?
桜木町エリアは小さい頃から何度も遊びに来ていたので、愛着がある街で仕事ができたのはとても嬉しいです。
予算の制約があるので、どんな建物にも必ず一部の妥協はありますが、それを差し引いてもLR桜木町は想いが叶った建物だと思います。なので、今でも桜木町周辺に来た時は必ず現地に足を運んでいて、意味もなく道路の向こうから10分くらい建物を眺めたり、敷地を1周してみたりしています。
――それ、不審者じゃないですか(笑)?
そうかもしれないですね(笑)。私のような不審者が侵入できない安心設計になっています(笑)。ただ、それくらい造った建物には誇りを持っていますね。
世の中に形として残る物を造っているので、人に見られたくないような建物には絶対にしたくない。「これは私が造ったんだ!」と胸を張って言えるような設計を今後もしていきたいと思います。